多くの人が知るその名だが、「ルソーといえば？ 」と周りに質問してみると面白い。 ある人は歴史の授業で暗記した『社会契約論』を、ある人は物語の形で子どもの教育を論じた『エミール』を、ある人は「じぶん」についての詳細な歴史『告白』を。 次々と飛び出すバリエーション豊かな回答に驚かされるだろう。 知っていたつもりでいたルソーの新しい教育思想の中にみられる 「普通・義務教育」概念が,あ たかも連続的・一元的に把握できるかの如き錯覚におち いり,ひ いては,ル ターの教育思想を研究者の主観によ って誤って構成してきたうらみがないルソーの音楽教育観に関する研究 板 野 和 彦 1．はじめに ルソー，j．－j．は思想家，教育思想家としてだけでなく，音楽家としても活躍した人物 であることは広く知られている。彼の自伝である『告白』を参照すると，その音楽に関す
世界教育学名著選 ５ ルソー エミール 明治図書 Nunet Co Jp
